日本の名車 2018 10 28

 今、「車が売れない」という話をよく聞きます。
私から見れば、「当然だろう」と思います。
 今の車は、「家電」のようになってしまったからです。
同時に、高級化してしまったのです。
 具体的に言えば、今の車は、
家電化して、誰でも運転できるようになったのです。
これでは、車好きの人は、買う気がなくなるでしょう。
今の車には、乗りこなす楽しみがないと言えるでしょう。
 時々、インターネットでは、
日本の名車という記事があります。
 私から推薦するならば、「スカイライン2000RS」でしょうか。
当時、私も友達も学生だったので、「RS」を見かけると、
つい、じっくり眺めてしまいました。
 「RS」は、「走り」に徹していましたので、
カーステレオなし、
エアコンなし、
パワーウィンドウなし、
パワーステアリングなしというスペックでした。
(これは、販売価格の上昇を抑えて、車好きならば、
誰でも買えるような価格にしたかったのだと思います)
 エンジンは、当時としては、珍しかったDOHCでした。
つまり、価格の大部分は、エンジンと足回りに集中したのです。
 高回転型のエンジンと、素晴らしいエンジン・サウンドで、
「GTR」の再来かと言われましたが、
エンジンが4気筒だったので、「GTR」の名称は付与されませんでした。
 今のDOHCエンジンは、コンピューター制御なので、
低回転から高回転までパワフルですが、
当時のDOHCエンジンには、コンピューターがなかったので、
低回転ではパワーがなく、スカスカと言われました。
 そこで、マニュアルのシフトチェンジで、
エンジンの回転数を一定回転に維持する必要があったのです。
そのために、タコメーターは重要だったのです。
今の車のタコメーターは、単なるアクセサリーとなっています。
 ここで、何が言いたいのかというと、
余計な機能をつけて、高級化・家電化すると、
自動車ファンは離れていくということです。
 私は、今は都会に住んでいて、車を運転することはありませんが、
死ぬまでに、もう一度、スカイライン2000RSの雄姿を見てみたいと思っています。

MVX 2018 5 19
 「MVX250F」とは、ホンダのスポーツバイクのことで、
ライダーからは、「ホンダ初の失敗作」と言われ、
販売期間は、たったの1年で終了になったオートバイです。
 しかしながら、私は、「MVX」に興味を持ち、
「研究用」として保管したいと思ったぐらいでした。
 どこに興味を持ったかというと、
このバイクのエンジンは、
なんと、2ストロークのV型3気筒のエンジンだったのです。
 当時、250ccのバイクで、V型エンジンは珍しく、
さらに、3気筒も珍しかったのです。
このような排気量では、2気筒にするのが普通です。
 V型で3気筒エンジンとなると、
エンジン・レイアウトが問題になります。
 2気筒を後方、1気筒を前方にするか、
その逆にするか、迷うところでしょうが、
「MVX」は、2気筒を前傾させ、1気筒を後傾させました。
 しかしながら、やはり、後傾の1気筒に負担がかかることになり、
そのうえ、2ストローク・エンジン特有の焼付き対策のために、
エンジンオイルを大量に消費させた結果、
1回走ると、後ろのナンバープレートが真っ黒になってしまうほどでした。
 エンジンの理想形は、6気筒エンジンですが、
さすがに、オートバイで6気筒にすることはできません。
大きなエンジンをオートバイに搭載できないからです。
 なぜ、ホンダは、市販車にV型3気筒エンジンを搭載したのかというと、
当時、世界オートバイレースにおいて、
V型3気筒エンジンの「NS500」が大活躍したからです。
 2気筒では、トップスピードが足りない。
4気筒にすると、エンジンが重くなり、空力の問題がある。
つまり、エンジンの横幅が大きくなり、空力が悪くなるのです。
 そこで、ホンダは、3気筒エンジンを開発して、
オートバイレースで成功したのです。
 ホンダは、4輪車においては、
比較的、優等生のような製品を作りますが、
2輪車においては、常識を破壊する製品を作ることがあります。
それが、ホンダらしさというものでしょう。
当時のホンダは、「奇人・変人」の集まりと言われたことがあります。
 さて、なぜ、私が、このような技術の話を書いたかというと、
今、日本が豊かであるのは、
強力な工業力で、優秀な製品を作り出して、
それを海外に輸出して、お金を稼いできたからです。
 日本に技術力がなくなれば、江戸時代の生活に逆戻りします。
現代風に言えば、「原油が枯れたサウジアラビア」でしょう。
 もちろん、今でも、サウジアラビアの油田は豊富ですが、
やがて、油田が枯渇する日が、やってくるのです。
その時、サウジアラビアは、「砂漠の民」に戻るでしょう。
日本も、技術力の「枯渇」を心配する必要があります。
 今、豊かであることを当然のことと考えてはいけません。
自分たちの子孫のために、新しい技術に挑戦する必要があります。
 あなたの前に道はなく、
あなたの後に道はできる。





























































トップページへ戻る